簑は被ると姿が消える不思議な道具
嘘つきはすぐさま被りどこかへ
去ってしまいました
天狗は使ってみてようやく騙されたことに気づきます
嘘つきは簑を色んな事に使います
人の財産を盗んだり
人と人を争いに仕向けたり…
家に隠して置いていると
その母親が見つけ簑として使ってみると役に立たないので怒って燃やしてしまいました
嘘つきがその灰を塗るとやはり姿が消えたので
少しずつ使うことにしました
天狗がゴミであるただの竹筒を持って
がっかりしていると
高名な賢者が現れ
遠くが見る道具ならこうしてこうしたら良い
と実際に千里鏡にしました
天狗は喜んで覗いてみると
嘘つきが灰を被って盗みを働いていた時
水で流れてしまい大勢にばれ捕まっているところ
天狗は大笑い大笑い
それを見て賢者は言います
『道具は使い方次第、千里鏡も使い方を誤ってはいけないよ』
竹筒も千里鏡も見た目は同じ
簑と灰は能力は同じだけれど
本来の用途とは違う