日本昔メガネばなし

2018/11/26

『眼鏡違い』
善し悪しの判断を誤ること

『おめがね』
善悪を見抜く能力

『おめがねに適う』
能力を認められること
品質の良いものを選ぶこと

『眼鏡が狂う』
評価を誤ること
良識を間違うこと

『色眼鏡で見る』
先入観を持って判断すること

「天狗の隠れ蓑」

天狗は簑を使って色々な事をしていました
それを見ていた嘘つきは
ただのゴミである竹筒を
千里まで見える千里鏡(遠眼鏡)だと嘘をついて
天狗の大切な簑と取り替えました

簑は被ると姿が消える不思議な道具

嘘つきはすぐさま被りどこかへ
去ってしまいました
天狗は使ってみてようやく騙されたことに気づきます

嘘つきは簑を色んな事に使います
人の財産を盗んだり
人と人を争いに仕向けたり…
家に隠して置いていると
その母親が見つけ簑として使ってみると役に立たないので怒って燃やしてしまいました
嘘つきがその灰を塗るとやはり姿が消えたので
少しずつ使うことにしました

天狗がゴミであるただの竹筒を持って
がっかりしていると
高名な賢者が現れ
遠くが見る道具ならこうしてこうしたら良い
と実際に千里鏡にしました

天狗は喜んで覗いてみると
嘘つきが灰を被って盗みを働いていた時
水で流れてしまい大勢にばれ捕まっているところ

天狗は大笑い大笑い
それを見て賢者は言います
『道具は使い方次第、千里鏡も使い方を誤ってはいけないよ』

竹筒も千里鏡も見た目は同じ
簑と灰は能力は同じだけれど
本来の用途とは違う